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2013/05/20

王国物語とサイドストーリー

トロピカル王国物語

美味しいフルーツがたくさん実るトロピカル王国に、ペッカーが住んでいました。 

ペッカーは、トロピカル王国にフルーツの「種」をふりまく大切な仕事をしています。

ある日、お城へ向かうと国民達が騒いでいます。 

 

 

「トロピカル王国の王様が、いなくなった!!」

 ペッカーは、驚きました。

 王様は、トロピカル王国の「黄金のパイナップル」に愛を与えています。

愛がなければ、黄金のパイナップルは光をなくし、フルーツ達は枯れてしまいます。

さっそく、ペッカーは、王様を探し始めました。

 

しばらく歩いていると、トロピカル王国に遊びに来たランディー君に会いました。

ペッカーは、ランディー君にトロピカル王がいなくなった事を話しました。

「それは大変だ、一緒に王様を探しに行こう!」

ペッカーとランディー君は一緒に王様を探すことになりました。

 

しばらく歩いていると、  木陰に隠れている妖精のフェアリーを見つけました。

「フェアリー、どうして隠れているの?」

 

「実は私、王様の居場所を知っているの、

王様は、トロピカル王国の妖精の国へ連れて行かれたの」

 

ペッカーとランディー君はビックリ!!

フェアリーは、どうして自分の仲間が、

王様を連れて行ったのか分からず、もじもじしていたのです。

 

「王様を助けたいんだ、僕達を妖精の国へ案内してくれないか」

 

「私もどうして仲間達が王様を連れて行ったのか知りたいの、一緒に妖精の国へ行きましょう!

ただし、妖精の国に入るには、特別な条件があるの・・・、

 

妖精の国へ入る為の条件は、二つ、

一つは、トロピカル王国にあるフルーツの魔法を全部覚える事、

それによって妖精の国の入口が見えるようになるわ。

そしてもう一つ、

妖精の国への鍵となる四つしるしを見つける事。

まずは、妖精の国を目指す者が最初に訪れる場所、見えない妖精の洞窟に行きましょう」

 

ペッカーとランディー君は、フェアリーと一緒に見えない妖精の洞窟に向かいました。

さて、二人が先程から感じていた違和感、暗く重い違和感、それはフェアリーの気配だったのでしょうか。

 

しばらく歩いていると、バナナの魔法をつかさどる石台がありました。

「これがフルーツの魔法を覚える為の石台よ。

バナナの真理を解き放ち、契約する事で魔法を覚えることができるわ」

ペッカーとランディー君は、石台にある文字を読みました。

石台にはこう書かれています。

「バナナは、一本の木に何度実をつけるか答えよ。」

Ⅰ:一本 Ⅱ:三本 Ⅲ:何度でも

 

ペッカーが答えました。

「バナナは、一本の木に一房しかならない!」

 

石台の真理の扉を開いてみると、

「バナナの実は、一本の木に一房しかつきません。

しかし、木のそばから新芽がどんどん出てきます。

それがまた大きくなり、バナナが収穫できるのです。

あなたはバナナの真理を学びました。

契約の印を刻みなさい。

成功の魔法を使う事ができるようになります」

ペッカーとランディー君は、契約の印を交わし魔法を習得しました。

その後も力を合わせ、どんどんフルーツの魔法を覚えていきました。

 

見えない妖精の洞窟につきました。

「見えない妖精は、王国が成立つ以前から存在していて、始まりの妖精とも言われているわ。

王国のあらゆる事を知っているけど、その姿は決して見ることができないの。

洞窟の中には、妖精が隠した秘密の三文字があるわ、それを探しましょう。」

 

ペッカー達は、水晶や宝石が輝く洞窟の中に入りました。

しばらく進むと、たくさんの穴がある部屋に辿り着きました。

ペッカーとランディー君は、穴の中から三つのアルファベットを探し出しました。

一つ目は「N」、二つ目は「P」、三つ目は「K」です。

 

フェアリーに聞いてみると、

フルーツには欠かせない肥料の事だと教えてくれました。

「Nは窒素、おもに植物を大きく成長させる作用がある肥料の事よ」

「Pはリン酸、おもに花や実に関係する肥料の事よ」

「Kはカリウム、おもに根の発育に作用する肥料の事よ」

 

3つの文字を手にいれ「導きの滝」に向かいました。

 

大きなレンブの木の横に、導きの滝がありました。

「導きの滝は、ミネラルをたくさん含んだ水を生み出しているの、

滝には魔法の力があり、秘密の文字を示して強く願うと、

それぞれの進むべき道を示すと言われているわ。

見えない妖精と深い関係があると言われているの」

 

  導きの滝の前には、不思議な台座があり、こう書かれています。

「見えない妖精の洞窟で見つけた三文字を入力しなさい」

 

ペッカー達は、文字を入れました。

なんと、滝がとまり、導きの滝の奥から文字が浮かび上がりました。

「妖精の国へ行きたければ、バタフライガーデンにいる切り株の妖精に会いなさい」

 

ペッカー達は、切り株の妖精に会う為に、バタフライガーデンに向かいました。

 バタフライガーデンにつきました。

壁にこう書かれています。

「切り株の妖精は、とても恥ずかしがり屋、会いたければ、足跡をたどりなさい」

 

床を見てみると、小さくてかわいい足跡があります。

足跡を追っていくと、小さな切り株の家がありました。

家の中をのぞいてみると、手紙があります。

「切り株の妖精は、オオゴマダラのお世話をするために池にいったよ」

ペッカー達は、池に向かいました。

 

池の近くに、小さな切り株がありました。

中をのぞいてみると、手紙があります。

「切り株の妖精はお家に帰ったよ、足あとをたどってお家を訪ねてごらん」

ペッカー達は、足あとをたどりました。

 

しばらく歩いていると、大きな切り株の家をみつけました。

ペッカー達は、ドアをノックして切り株の妖精を呼んでみました。

しかし、誰も出てきません。

ふと見みると、可愛い食台の上に、手紙がありました。

 

「私を訪ねてくれたあなたへ バードヤードに住んでいる五色の羽をもつ鳥を探してね、

その鳥が掲げるしるしが、妖精の国へ入る第一のカギよ、―切り株の妖精より―」

 

「私達の為に、手紙を残してくれたんだわ、さあ、バードヤードに向かいましょう」

ペッカー達は、バードヤードに向かいました。

 

ードヤードには、きれいな鳥やおしゃべりする鳥達がたくさんいます。

そして、傷ついた鳥達が安らかに過ごしています。

さっそくさがしてみましたが、しるしはどこにもありません。

 

「あれ、あの魔法円は何だろう?」

鳥達が休んでいる川のほとりに不思議な文字が書かれた円石があります。

円石の真ん中には、丸い穴が開いています。

ペッカー達は、その穴を覗いてみました。

 

「あっ、五色の鳥がいたよ!」 

穴からのぞくと、たくさんの石柱が重なり、五色の羽をもつ鳥が現れたのです。

「五色の鳥が掲げている紋章が妖精の国に入るしるしだね」

ペッカー達は、一つ目のカギを見つけました。

次のカギを見つける為に出発です。

 

しばらく歩いていると、「全てのフルーツがなる木」がありました。

トロピカル王国にある全てのフルーツが、一年中実る不思議な木です。

「その昔、王国で大きな戦いがあった時、

偉大な強い力を持ったこの木が助けてくれたという伝説があるの。

妖精達はこの木から実るフルーツを大事にしているわ。

たくさんの実の中に妖精達が大好きなフルーツが一つあるわ、それが第二のカギよ。」

 

大きな実、小さな実、たくさんのフルーツが実っています。

よく見てみると、パイナップルに小さなしるしがついています。

「見つけた!これが第二のしるしだ」

ペッカー達は、第二のカギを手に入れました。

次のカギを見つける為に出発です。

 

しばらく進むと、「巨人が残した予言の石碑」がありました。

巨人が残した足跡に、石碑が置かれています。

「王国には、その昔巨人が住んでいたそうよ。

王国の大地を耕し、未来を予言する事ができたそうなの。

でも、ある日、最後の預言を残し、どこかに旅立ってしまったという言い伝えがあるの」

 

石碑にはこう書かれています。

「汝が妖精に会うにふさわしいか問う。

石碑の目に向かい一けたの数字を強く思い浮かべよ。

そして、それぞれの石碑に従い数字を練成させよ。

我が予言と一致するものに第三のカギを示す」

ペッカー達は、数字を思い浮かべ、石碑の通り次々と数字を練成していきました。

「汝の数字に4を足せ」

「2倍せよ」

「6を引け」

「2つに分けよ」

「汝が最初に思い浮かべた数字を引け」

最後の石碑に辿り着きました。

 

「練成は完成した。

汝は我が予言したものなり、

振り返り屋根に残した紋章が第三のカギ」

ペッカー達が振り返ると、

トロピカル王国の屋根に「1」という文字と三角のしるしがありました。

ペッカー達が練成した数字も「1」だったのです。

「巨人は、僕らが来るのを予言していたんだ!」

ペッカー達は、第三のカギを手に入れました。

 

しばらく歩いていると、「気まぐれな床」がありました。

「その昔、あるものを封印する為に敷かれた床だと言われているわ。

毎日床の位置が変わってしまうとても気まぐれな床なの。

子供達がここで遊んでいると、特に床が動き出してしまうわ」

 

側にある石碑にはこう書かれています。

「妖精の国へ行きたいのなら、この石碑の指示に従いなさい。

はじめに、太陽の紋章の上に立ち、

石碑の示すとおりに進みなさい。

最後に辿り着いた紋章が第4のカギです」

ペッカー達は、石碑の通りに進みました。

最後に辿り着いた床は、なんと、最初に立った床だったのです。

最初に立った太陽のマークが、第4のしるしだったのです。

ペッカー達は、フルーツ魔法と妖精の国へのカギを全て集めました。

 

妖精の国の入口につきました。

入口には、魔法陣が薄く輝いています。

ペッカー達は、今までに覚えたフルーツの魔法で魔法陣を完成させました。

すると、まばゆい光の中から妖精が現れました。

 

「妖精の国に入りたいのであれば、4つのカギを示しなさい。」

ペッカー達は、4つのカギを示しました。

白くまばゆい光が、和らいでいきます。

妖精の国は、たくさんのフルーツとやわらかな光があふれています。

 

ペッカー達は、やっと王様に会うことができました。

 

「王様、みんなとても心配しています、すぐに王国にお帰りください」

「すまない、実はあるモノに追われ、妖精達に囲まってもらったのじゃ」

フェアリーは、仲間達が王様をさらってはいない事を知りほっとしました。

 

「一体だれに追われていたのですか?」

「トロピカル王国の四精霊が何もできず封印されてしまった、それが出来る者とは・・・・、」

突然、  王様の顔色が変わり、妖精達が武器を持ってペッカー達の周りを囲み始めました。

ペッカー達は、なぜ囲まれたのかが分かりません。

 

「どうしたのです。何が起きたのですか」

「お前たちではなく・・・」

「お前達の影じゃ!」

 

影から人が現れました。

「くっくっく、お前達の影に隠れていれば、

きっと妖精の国に隠れた王に会えると思って、ずっとついていたのだよ」

「そう、私がトロピカル王をさらおうとした者だよ。ねっ、兄さん・・・」

「いつも皆から愛されるトロピカル王が憎くてね、

私が変わりに国王になる事に決めたのさ。

トロピカル王国を守る四精霊も私に手を上げることはできなかったよ。」

「さあ、トロピカル王を渡しなさい、私が変わりに王様になってあげるよ」

 

王様が答えました。

「血を分けたお前と争わない為に、妖精の国へ来たが、

これ以上皆に迷惑をかけるわけにはいかない。

ペッカー達よ、そなた達が覚えたフルーツの魔法こそが弟を倒す唯一の方法だ。

力を合わせ戦ってくれ!」

 

「私と戦うと言うのかい、古代に滅びたと言われる腐れの魔法に勝てると思うのかい」

 

「いったいどこで、そのような禍々しい魔法を覚えたのじゃ」

王様は、とても驚いています。

 

戦いが始まりました。

ペッカーとランディー君は「攻撃の魔法」、フェアリーは「回復の魔法」を発動させます。

 

敵は大変強く、両者一進一退です。

 

「大人しくトロピカル王を渡せばいいのに、

お前達がどんなに頑張っても腐れの魔法に勝てるはずはないのさ、

仕方がない、

最後に、腐れの魔法の偉大さを、凄まじさを、身をもって知るがいい・・・」

 

「・・・、マグネシウム!!」

 

大きな渦の中にすべて吸い込まれていきます。

ペッカー達は、大きく傷つきました。

体に力が入りません。

 

その時です、

ペッカーの羽から種袋が落ちました。

種袋が破れ、その穴から、たくさんの「種」がこぼれおちます。

それを見た他の妖精達が、その種に向け、魔法をかけました。

全ての種が一斉に成長し、大きな木に成長しました。

 

「この木は!? これは・・・、生命の木だ、生命の木の力を感じる、

そして、妖精達の、フルーツ達の、トロピカル王国すべての力を感じる!」

木は光り輝き、ペッカー達のフルーツの魔力は増幅されました。

 

「何だ、この力はー!」

まばゆい光と力に囲まれ、弟は叫び声をあげながら倒れました。

 

「倒したのか・・・!?」

ペッカー達は、おそるおそる近づきました。

弟の体から、うずのようなものが、抜け出していきます。

 

倒れていた弟が、目をさましました。

「に・・・、兄さん、私は、一体、何を・・・、

私は、たしか、瓶の中にあるものを見つけたんだ。

そう・・・、私は、それに話しかけてみた。

しかし、それと話しを重ねていくうちに、私は・・・、私は、意識が遠くなっていき・・・」

 

「もう大丈夫じゃ、弟よ、 ペッカー達が助けてくれたのじゃ、

さあ、トロピカル王国に帰ろう」

 

「ありがとう、君達のおかげだ。

これで、安心して、トロピカル王国に戻ることができる・・・」

「しかし、私もだいぶ年をとった。

皆に迷惑をかけてしまった。

どうだ、ランディー君、

このトロピカル王国の勇者になってこれからも守ってくれないか。

君はフルーツの魔法も覚えたし、何より素晴らしい愛をもっておる。」

 

「トロピカル王国における私の仕事は、

黄金のパイナップルに愛を伝えることじゃ。

たくさんの愛を受けた黄金のパイナップルは、

全てのトロピカルフルーツに光と栄養を与えてくれる。

国民達は、美味しく育ったフルーツを食べ、幸せの声を、私に届けてくれる。

私と水・地・空・光の四精霊は、

皆から届いた幸せの声を黄金のパイナップルに伝えるのじゃ。

ペッカー達は、それを絶やさぬよう、新たな命、

そう、フルーツの種をまくという大切な仕事があるのじゃ。

みんなの愛と調和でトロピカル王国は成立っているのじゃ。」

 

「どうだ、ランディー君、トロピカル王国の勇者になってもらえないか?」

 

「・・・はい」

 

「そうか、ありがとう、君はトロピカル王国の勇者じゃ、たくさんの愛で皆を守ってくれ」

 

トロピカル王国で、お祭りが始まりました。

あまーいフルーツやコラーゲンたっぷりのジュース、

美味しいスイーツが並んでいます。

王様も弟もペッカーもフェアリーもお友達も妖精達も歌ったり踊ったりとても楽しそう。

王国中の人々が、王様の帰還を喜んでいます。

人々は一晩中踊り続けました。

人々と共に影も一緒に踊ります。

 

しかし、小さく渦を巻いている影が、不気味に揺らいでいます。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・コ・の・マァ・ma・デエ・ha・・・・・・・・」

 

to be continue

 
 




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