book-fairyandbananabig
2013/05/20

王国物語とサイドストーリー

フェアリーとバナナのお話し

ある日、フェアリーは、トロピカル王国にやってきました。

 たくさんのフルーツ達がフェアリーを迎えます。

 しばらく歩いていると、バナナの木がありました。

 フェアリーは首をかしげました。

 「あれ、このバナナさん、元気がない・・・」

 心配になり、バナナに触れてみました。

 フェアリーは、フルーツ達と心の中でお話しができます。

 

「バナナさん、どうしたの?」

「えっ・・・、

病気になってしまったの、

それは大変、どうすれば治すことができるの?

私、治す方法をさがしに行ってくるわ」

フェアリーは病気を治す方法を探しに出かけました。

 

まず、王国の人々に聞いてみました。

「バナナさんの病気を治すためにはどうすればよいの?」

「ごめんね、フェアリー、僕達には治すことはできないよ」

 

次に、ペッカーに聞きました。

「ごめんね、フェアリー、僕には治すことはできない」

なかなか病気を治す方法は見つかりません。

 

「そうだ!王様なら、きっと知っているはずだわ」

フェアリーは、王様に聞いてみました。

王様は、少し困った顔で、フェアリーに答えました。

「バナナの病気を治すのは、とても難しい、今できることは・・・」

「そんな・・・」

王様の話を聞いたフェアリーは、悲しくなって王様の前から走って行きました。

 

「そうだ!見えない妖精の洞窟に言ってみよう。

見えない妖精なら、きっとバナナさんを治す方法を知っているはずよ」

フェアリーは、見えない妖精の洞窟に行きました。

「見えない妖精さん、バナナさんを治す方法を教えてください」

光る石にそっと手を入れました。

イメージがフェアリーの中に入っていきます。

「えっ?そんなかわいそうな事、できない・・・」

フェアリーは、見えない妖精の洞窟を泣きながら出て行きました。

 

トロピカル王国が夕方になりました。

フェアリーは、とぼとぼとバナナのもとに戻りました。

「バナナさん、ごめんなさい、あなたを治す方法が見つからなかったの」

フェアリーは泣きながら答えました。

バナナからフェアリーに伝わってきます。

 

「フェアリー、ありがとう・・・、

美味しいフルーツを実らせて、みんなに幸せになってもらいたかったのだけれど・・・、

今できることは、これ以上病気を広げないこと・・・、

だから、今夜、お別れよ・・・」

 

「そんな・・・、」

「優しいフェアリー、

おいしいフルーツになるためには、自然の愛と調和が必要なの・・・、

そしてもう一つ大切なことは、

自然の中には、いいことも悪いこともあるということ。

決して良いことだけが起こることはないわ、

あなたも美味しいフルーツを育てたいのであれば、

あなたが持っている優しさともう一つ、強さが必要よ。

だから、決して悲しんではいけない・・・」

 

フェアリーは、涙を流しながら小さくうなずきました。

 

「ありがとう・・・、

これからもバナナ達を・・・、フルーツ達を愛してあげてね・・・」

フェアリーは、バナナとさよならをしました。

 

翌朝、

フェアリーは、畑に行きました。

バナナの姿は、もうありません。

泣かないと約束したけれど、

強くなることを約束したけれど、悲しくなってしまいます。

 

「フェアリー・・・、フェアリー・・・」

どこからでしょう?

フェアリーを呼ぶ小さな声が伝わってきます。

 

探してみると、

バナナの切り株の根元から小さなバナナの子供達が生えてきています。

フェアリーは、小さなバナナの子供達にふれてみました。

 

「フェアリー、お母さんから聞いたよ・・・、

フェアリーに助けてもらったこと、お話したこと・・・

それからね、フェアリー、

お母さんから伝言を預かっているよ」

 

「ありがとう、

あなたの愛は、きっと美味しいフルーツを生み出すわ、

あなたの強さは、きっと素晴らしい調和を生みだすわ、

これからもトロピカル王国を

それから、バナナの子供達をよろしくね」

 

フェアリーは少し涙を流し、笑顔でうなずきました。

今日も光り輝くトロピカル王国にフルーツの仲間が増えました。

 

 

「あれ?妖精の仲間達が王様を連れていく、いったいどこに行くのだろう?」

 

END

 
 




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