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2013/05/20

王国物語とサイドストーリー

忘れられた伝説のお話

その昔、

ずっと、ずーっと昔の話。

トロピカル王国が、できて間もないころの話。

トロピカル王国には、王様と妖精と魔法使いと巨人が住んでいました。

そして王国の中心には、生命の木がありました。

みな、光り輝く大地に仲良く暮らしていました。

 

ある日、

暗い目をもつ薄気味悪い男がやって来てこう言いました。

「そなた達の光は、わが影となる、

我はなぜ影に生まれたのか、そなた達を憎む」

腐れの魔法を唱えると、土の中からみにくい魔物たちが生まれてきました。

トロピカル王国のフルーツは、どんどん腐れていきます。

王様達は、戦いました。

戦いは、長く長く続き、皆は疲れていきました。

最後に、生命の木が言いました。

「全ての力を使い、あなた達を勝利に導こう」

生命の木は全ての力を使い、王様達は勝利しました。

しかし、生命の木はその力を失ってしまいました。

王様と妖精と魔法使いと巨人は、倒れている男の前に集まりました。

妖精は、その男に言いました。

「私は、一人ぼっちでいたあなたの悲しさと寂しさを分かち合いましょう。

私は姿を隠し再び人前に現れる事はないでしょう」

妖精は、「見えない妖精」となりました。

魔法使いは、言いました。

「物は腐れるが、それが新たな命をはぐくむ恵みとなる。

私は、あなたの性質を分かち合い、

栄養を多く含んだ水を生み出しましょう。」

魔法使いは、「導きの滝」になりました。

巨人は、言いました。

「そなたのようなものを生み出さない為に、

私はそなたの意思と共に大地を超えて旅をしよう」

巨人は旅に出ました。

王様は、言いました。

「そなたが笑顔になるよう、

ここにたくさんの子供達が集まるよう魔法の床を敷きつめよう」

「気まぐれな床」ができました。

「これから我々全ては、そなたと共に存在する」

それからというもの、腐れたものがとてもよい肥料になる事が分かりました。

前よりたくさんの美味しいフルーツが実るようになりました。

 

今日も

見えない妖精は、栄養の事をこっそり伝え、

導きの滝はミネラルをたくさん含んだ水を作り、

巨人は旅を続け、

気まぐれな床には、子供達が集います。

そして、王様は、トロピカル王国の愛の象徴として、

生命の木の一部から黄金のパイナップルを作りました。

感謝の言葉と愛を毎日捧げています。

 

さて、今日は、トロピカルフルーツに肥料を与える大切な日です。

みんなはフルーツ達に、

そして、何も言わなくなった生命の木に、肥料を与えています。

大空では、鳥達が、種をまいています。

その種が風に乗り、生命の木に降りかかりました。

なんと、

力を失った生命の木に、全てのフルーツが実りました。

それからというもの「全てのフルーツがなる木」と呼ばれるようになりました。

忘れられた遠い昔、伝説の物語。

 

                                 END

 
 




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